第2回 仕事のルビー 働くサファイア~働く私を動かした言葉や出来事~ 入選作品発表

当NPOでは、「仕事とキャリアのアーカイブ構築事業」の一環として、昨年好評でした職業キャリアに関する250字の投稿企画である第2回「働く私を動かした言葉や出来事」を募集し、420作品の中から入選作品3点を決定しましたのでご報告いたします。

■キラリしごと大賞  匿  名  関東 20歳代

「入社三年目」
会社に対して不満を言う先輩。それを聞いて不安になる私。
そんな私に上司がこんな言葉をくれました。「会社に対して不満を言っている人ほど何もしていない。辞める能力も無いからただ会社にぶら下がっているだけ。本当に能力のある人はどんな仕事であれ、ベストなやり方を見出して、一番を目指し、最善を尽くしてるよ。どんな仕事でもそう。その仕事の仕方で得るものは変わってくるし、仕事の価値を上げるのも下げるのも自分次第だよ」と。
この言葉で不安が消え、この上司について行こう、この仕事を続けよう、私はそう思いました。

<ご本人コメント>
この度は素晴らしい賞を頂き、ありがとうございます。
この言葉をくれた上司に感謝したいです。
また、私のように仕事に対して、不安を感じている方に、少しでも何か届いたら嬉しいです。
こんな素敵な言葉をくれた上司ですが、今月から部署異動になってしてしまいました。
新入社員の時からお世話になっていたので、とても淋しいですが、
この頂いた言葉を忘れず、これからも楽しく自分らしく、働いていきます。

■ルビー賞  鈴村 徳子(すずむら とくこ)様  関東 60歳代

「支えた言葉」
1ヵ月海外語学研修参加を躊躇っていると
「英語教師の仕事を継続していくのに、後回しにして、何もいい事はない。幸いに、子供達は夏休み期間だ。行ってくればいい。何とかなるよ。」
夫は、母親だから、妻だから、女性だからという理由で拘束しない。
「食事はどうするの」「子供達のことは、気にならないのか。」「そんな長い間、家を留守にして平気なのか。」そんな言葉は、一言もなかった。
参加申し込みの決断ができたのは、夫の支えが大きかった。

<ご本人コメント>
働く女性の多くは、母親でもあり、妻でもある。
責任ある仕事、子育て、家事に追われる日々となる。
夫と共に知恵を出し合い、遣り繰りしなければならない。
互いに仕事と子育ての両立に奮闘する。
一方、自分が納得いく仕事をしたいという思いを捨てることができない。
それは、家族をおいて、1ヶ月のアメリカ語学研修参加することだった。
今回受賞することとなった夫の言葉は、その後仕事を継続するうえで大きな転機となった。
社会通念的な考えを押し付けない夫に感謝したい。
そして、誰もが、画一化することなく一歩踏み出せる社会であって欲しいと思う。

■サファイア賞  中里 裕輔(なかさと ゆうすけ)様  関西 30歳代

「ペンキ屋さんの宝物」
いわゆるペンキ屋さんをしている私。
いろんな色を塗っている私の仕事着はペンキまみれ。
白色のズボンが何色だったのかわからないほど。
仕事着で歩いていると、周りの人は汚いと言わんばかりに少し離れていく。
それが嫌で仕事の行き帰りは必ず着替えている。
ある日、仕事着のまま家に帰宅。帰りを待っていてくれた娘が私を見てひとこと。
「パパ、いろんな色が付いててキレイだね」
それ以来、仕事着が汚れるのが嫌ではなくなりました。
今日はどんな色を塗ったの?と聞くのが娘の日課に。
ペンキ屋さんの小さな幸せです。

<ご本人コメント>
このルビー賞は私ではなく、娘が受賞したと思っております。
汚れることが嫌だった私ですが、
娘の一言で仕事に対して誇りを持つことができるようになりました。
また、「今日はこんな色を塗ったよ」という何気ない娘との会話が日課になり、
仕事が楽しくなりました。
そんな娘が大きくなっても同じような言葉をかけてくれるのかわかりません。
きっと、「お父さん、汚い」なんて笑いながら言われるのでしょうね。
そんな時はこのルビー賞を受賞したことを娘に話してやりたいと思います。
ペンキ屋さんを汚い目で見るのではなく、
娘のように感じてもらえたら嬉しいです。