「理事長就任に際してのご挨拶」 (諏訪康雄) 

この度、戸苅利和前理事長の後を受け、理事長の重責を担わせていただくこととなりました。まことに不束ではございますが、皆様のお力添えをいただきまして、できるだけの努力をする所存でおります。

戸苅前理事長(現、理事長代行)は、認定NPO法人キャリア権推進ネットワークの立上げ準備から現在に至るまでの長きにわたりまして、卓越した能力、見識、経験、人的ネットワークを踏まえ、誠心誠意ご尽力下さいました。
平成27年職業能力開発法改正への要望の反映、各種シンポジウムの開催、ルビサファ表彰制度、生徒・学生・社会人向けの出前授業ほか、キャリア権という理念を世間に広めるうえで、また、キャリア尊重、キャリア支援の雇用政策の推進がなされるうえで、理事長として果たして下さいました役割と成果の大きさは、余人をもってしては到底、叶わないものでありました。あらためて心よりお礼を申し上げます。

さて、キャリアの多くは事前のデザインどおりには進まないといわれます。私の場合、研究人生を志望し、幸運にもデザインどおりに進むことができましたが、研究テーマではそうもいきませんでした。
専攻は労働法、途中から雇用政策法というかなりマイナーな分野に特化するようになりました。
当初は労使関係法の研究者でした。ところが、先輩から雇用政策と法の領域を専攻するようにと説得され、やや受け身的に調査研究を開始し、やがては職業キャリアと法を主に研究し、教育し、審議会等に関係するようになりました。
予想だにしていなかったことでした。
研究の領域変更は、一種のキャリアチェンジでした。その分野で長らく雇用政策法の基本原理をもとめて模索を続けたのち、ようやく1996年の国際学会で初めてキャリア権構想を発表しました。
その理念は、2001年の職業能力開発促進法や雇用対策法の改正に影響したといわれます。

そして、世の中に理念をさらに広めるため当NPO法人の設立となりましたが、戸苅前理事長、太田前副理事長、菊池理事、高木理事、矢野理事をはじめとする、多くの人びとのご尽力により、賛同者、理解者を増やしながら、現在に至っております。
キャリアの法律用語ともいえる「職業生活」にふれる法令も今や50を数えます。

私どもの目指すキャリア権は、多様な人びとのキャリア尊重がますます重要となる時代の流れにあって、法的な基盤を確保するとともに、人びとのキャリア形成の努力を支援し、促進する要ともなる基本理念です。
その推進のため、これからも微力を尽くしたいと思っておりますので、今後ともご指導ご鞭撻くださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げまして、ご挨拶とさせていただきます。

2018年 7月21日
認定NPO法人 キャリア権推進ネットワーク
理事長 諏訪 康雄