第4回 キャリア・コロッキアム 開催報告

100年人生に向かい、「多様なキャリア」と「キャリア支援のあるべき姿」について勉強し研鑽する場として、当NPO法人が主宰する「キャリア・コロッキアム」。

第4回は、2019年7月18日(木)19:00~21:00、虎ノ門の株式会社ライフワークス セミナールームにNPO会員10名、非会員6名の計16名が参集しました。

第一部は、精密加工装置・加工ツールの製造企業である株式会社ディスコの講師(株式会社ディスコ サポート本部 人財部 企画チームリーダー)による「ディスコの働き方」というテーマで、同社の人事制度についての講演が行われました。

同社では、個人の自由意思で業務を選択し部署異動ができる人事制度を基本とし、企業命令による配置を例外的なものと位置づける、ユニークな人事制度を採用しています。それを支えるのが、社内通貨Will(ウィル)の仕組みです。 Willはいわば「自由主義経済による社内通貨」であり、部門間などで社員が自ら進んで仕事を引き受ける際に渡される対価としてWillが支払われます。
ユニークで先進的な人事制度の事例であることから、会場からは「どこからも引き取り手のない人材の対応についてはどうしているのか」、「業務内容によって異動の難しさがあるのではないか」、「評価・査定の方法はどうしているのか」、「テレワークへの取り組みはあるのか」など、多種多様な質疑応答がなされました。

第二部はその話を受け、諏訪理事長がワークショップを行いました。
まず、ディスコ社で従業員同士が教え、教わりあう仕組みを工夫し、そこにも社内通貨Willが用いられているとの説明を受けて、「ラーニングピラミッド(平均学習定着率:講義を受ける=5%、資料や書籍を読む=10%、視聴覚(ビデオや音声等による学習)=20%、実演を見る=30%、他者と議論する=50%、実践による経験、練習=75%、他者に学んだことを教える=90%)」のうち、一番重要なのは学んだことを人に教えることであり、それが中高年からの成長のモチベーションにつながるのではないか、とコメントがなされました。
次に、現在の日本の就労状況において、従業員が自らのキャリア形成に向かうことを前提に会社が活躍の場を考慮する「自律(適所適材)」と、会社が中心となって従業員のキャリア形成を管理する「他律(適材適所)」との双方の割合(例えば、3対7とか、6対4とか)は、自分の周囲の組織では一体どのあたりに位置するのか、という問題提起がされました。そこで、3~4人1グループの3班に分かれて参加者に個々の意見を出してもらい、グループの意見として統合し、発表してもらいました。

「現状、所属している組織の立ち位置を再確認することができ、何をどう変えていったらいいのかを考える機会になりました」という感想を述べられていた参加者もいました。

この模様は、「労働基準広報」9月11日号に掲載予定です。こちらもご覧下さい。

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