第3回 仕事のルビー 働くサファイア~働く私を動かした言葉や出来事~ 入選作品発表

当 NPO では、「仕事とキャリアのアーカイブ構築事業」として、 職業キャリアに関する 250 字
の 投稿 企画である 第 3 回「 仕事のルビー 働くサファイア」~ 働く私を動か した言葉や出来事
を 募集し 、 応募作品 351 点 の中から 入選作品 5 点 を 決定しましたので 発表 いたします。

【募集概要 と応募結果 】
■企画趣旨 わが国 で現在 、 約 6 600 万人 の人々が働いております が、 働く人一人ひとりの職業
キャリアには、必ずキラリと光る言葉や出来事があったはず です 。それを 250 字の投稿によって、
働くことの意義や仕事のやり甲斐を共有し、 「 仕事とキャリアのアーカイブ 」 として 集積し保存 し
ていくことを目的と しています 。 2016 年、 2017 年と実施し、いずれの年も 専門誌やWEBサイ
トに掲載されるなど反響を頂 いており 、この度第 3 回 の募集を いたしました。
今回から新たに「障がいのある人としごと~懸命にはららく ともに働く~」をテーマ とする
「ガーネット賞」を株式会社イフの 協賛のもと スタートしました。

■募集内容 働く私を動かした言葉や出来事 に関する 250 字のつぶやき
テーマ例 「仕事で励まされたひと言」、 「仕事で転機になったこと」 等
■表彰 「 キラリしごと 大賞」( 1 名):賞状と副賞( 3 万円図書券) 、 「サファイア賞」( 1 名):賞
状と副賞( 1 万円図書券) 、 「ルビー賞」( 1 名):賞状と副賞( 1 万円図書券) 、 「ガーネット賞」( 2
名):賞状と副賞( 1 万円図書券+イフ賞 1 万円クオカード)
■応募数: 351 件( 男女 141 210 第 1 回は 274 件 、 第 2 回は 420 件
■応募年齢: 10 代から 80 歳以上まで 。 職業も漫画家、モデル、通訳、介護士、SE、 教師、公
務員、会社員、退職後主婦、定年後の方、契約社員、パートアルバイト等様々。
■ 応募者の在住地域: 日本 国内 は 北海道から沖縄・九州まで、外国では、オーストラリア連邦、大韓民国、東ティモール民主共和国、ブラジル連邦共和国、ベトナム社会主義共和国(あいうえお順)

■選考:201 8 年 2 月 28 日( 水 に応募を締め切り、 3 月 27 日 火 に 認定 NPO 法人キャリア権推進ネットワーク選考委員会( 10 名)による選考 を行いました 。
選考委員:委員長 戸苅利和理事長 副委員長 菊池桃子理事(女優・ 戸板女子短期大学客員教授) 委員 当 NPO 担当部長
■主催 認定 NPO 法人 キャリア権推進ネットワーク

■キラリしごと大賞 ペンネーム 三浦香澄(みうらかすみ)様 関東 30歳代

「働く母親が堂々と仕事も家庭も大切にするために」
育児休暇から復職後、職場の人間関係に疲れ果てた時期がありました。
ある日、子どもの突然の熱で会社に休みの電話をした際、「こんな事言いたくないけど、迷惑なの」と言われました。
電話を切った後涙が止まらず、思わず公共の無料相談電話に電話をしました。
その時、電話口の女性に「辞めるのはいつでも出来るけど、これから出てくる同じ様な後輩の為にあなたが道を作ってあげるんだと考える事はできませんか?」と言われました。
この言葉が私を強くし、母親が堂々と働ける会社にするために、私は今、働いています。

<ご本人コメント>
この度はこのような素晴らしい賞を頂きありがとうございました。そして、大変驚いています。去年のちょうど今頃、私は泣きながら電話相談をしました。それから一年、私は今もこの言葉を胸に、誇りをもって仕事をしています。女性が働きやすい社会、会社と言っても、現実は甘くありません。ただ、私は娘が働くであろう未来が素晴らしいものになることを願い、全ての働く母親が誇り高く生きられる世の中になることを祈り、そのために私ができることをこれからもやっていきたいと思います。

■ルビー賞 ペンネーム 凌霄花(のうぜんかずら)様 関東 30歳代

「私の居場所」
誰に褒めて欲しいわけでもない。とにかく今を生きていて、私はそれを言葉にしたい。
家が憂鬱だった。子を安全に保育園に預け、自分らしく働いている時だけが、生きている事を実感させてくれた。
子と家を出て、シェルターに入った。最初は全てが空っぽで虚無感に包まれた。
しかし、すぐに仕事を探した。仕事は、いつも私の視線を前に向けてくれた。
時には奮い立たせ、時には癒してくれた。
今、シェルターを出て、働き始めて3年。
仕事で少し憂鬱になった時、家に帰りたいと思う感覚が芽生え、幸せを感じている。働き続けてよかった

<ご本人コメント>
「誰に褒めて欲しいわけでもない」と、今思えばあまりにもぶっきらぼうな出だしで恐縮ですが、その言葉通り、自分の思いを応募先にぶつけ、清々しい気持ちになり、賞のことはすっかり忘れておりました。思いがけず受賞の連絡をいただいた時は、大変嬉しく思い、子どもと喜び合いました。やはり、私の人生は、働くことで、より豊かになると、実感せずにはいられません。

■サファイア賞 ペンネーム M.K様 関東 20歳代

「トンネルの中の光」
営業で必死に1年半頑張ってみたけれど、業績は振るわず異動することに。
間接部門にきて2年目のある日、ついに部長に呼び出されて一言。
「君は最近余裕がないように見えるが、1つずつ着実に仕事をこなしていけばよいのだよ。そうすれば1つずつ必ず完成していくから。」
焦りから散漫になっていた仕事に対する意識がこの一言で変わった。
部長のおかげで1つ1つの仕事を丁寧に行うことこそが成長することへの近道と気づくことが出来たのだ。部長は昨年定年退職で職場を去ったけれど、今でも近くで応援してくれているように感じる。

<ご本人コメント>
この度は素晴らしい賞をありがとうございます。
日々の仕事で自分の成長が停滞していると感じている頃に勇気をもらった言葉です。
当時の私は、とにかく早く実績を残さなければならないと焦り、ただ闇雲に多くの仕事をこなしていました。そんな姿を部長はしっかり見ていて声をかけてくれたのだと思います。私のようにキャリアについて一人で悩んでいる方へ、言葉にしなくても頑張っているその姿勢は評価されていることを伝えたいです。

■ガーネット賞 ペンネーム みるく 様 関東 30歳代

「私でも人の為になれた」
「車椅子の看護師さんなんてかっこいいわね!私も乗ってみようかしら」
私は看護師ですが、自分の障害を受け入れられずにいました。
そんな時出会ったのが、癌転移のため車椅子生活を宣告された患者様でした。
私は、受容できていない患者様のもとへ車椅子で向かうことにためらいがありました。それを隠そうと、まるで障害を乗り越えたかのように明るく振る舞いながら支援をしました。
患者様のこの言葉は私への気遣いなのかもしれません。
でも、この言葉に私は勇気付けられ、そして私自身が障害を受け入れるきっかけにもなりました。

<ご本人コメント>
私は人の手を借りたり人目を気にして、外に出る勇気が出るまで1年半必要でした。仕事を始めてからも、車椅子の私を気にする方もいましたが、誰よりも私自身が過剰に意識していました。しかし、沢山の患者様や仲間と出会い、形は違っても「人の為になれる」ことに気づきました。それ以来、車椅子でもできる挑戦をしようと、旅行やスポーツ、資格取得にも挑戦しています。そんな時に受賞のお知らせを頂き、自信と勇気をくれたあの日を思い出しました。これからも日々感謝しながら、人の為になれるよう笑顔で働きたいです。もちろん、いつも私の心と体を支えてくれるマイ車椅子にも感謝、感謝です。

■ガーネット賞 西岡 奈緒子(にしおか なおこ)様 関東 30歳代

「障害のことを忘れられる瞬間」
私は筋ジストロフィーという進行性の病気だ。
就職したころは杖を使って歩けていたけれど、徐々に筋力が低下して、今では電動車椅子を使っている。
病気で大変なのに「なぜ働き続けているのか」と思われるかもしれない。
仕事を任せてくれる上司。
力が必要なときは声かけて、という先輩。 私を見かけると率先してドアをあけてくれる隣の部署の人。
職場では障害のことを忘れて、仕事に没頭できる。
たくさんの人に支えてもらっている。
社会と繋がっていると感じられて幸せだ。
いつもありがとう。

<ご本人コメント>
この度は素敵な賞をいただき、ありがとうございます。
入社から15年経ちますが、病気の進行にあわせて環境整備などをしていただきながら、楽しく仕事を続けています。ガーネット賞入選のお知らせをいただき、就職活動のころを思い出しました。私は障がい者のための求人サイト、ウェブ・サーナで自宅に近い職場の求人を見つけて応募しました。障がいをもつ私が働くことができるだろうか、と不安に思っていましたが、(株)イフのWebや情報誌が励みになりました。仕事は私が自分らしく輝ける場だと思います。いつも支えてくださる皆様に感謝申し上げます。